ルームA
構造から機能を類推する
萩野 友紀(東星学園)
小学校における理科では、工業技術に通ずる単元が極端に少ないように感じる。「技術立国日本」、「技術大国日本」という言葉が聞かれた割には、その礎となる「構造」や「機能」という用語は小学校の学習指導要領には「生物の構造と機能」という言葉があるだけである。人の膝の構造は複雑で、それぞれの構造部材がどのような機能を果たすのかを類推し、工学技術で置き換えることを探求の課題として適切と考え取り上げた。
探究very match「食物連鎖〜ちりめんモンスターから考える〜」
砂川 俊輔(日本女子大附属豊明)
6年生「生物どうしのつながり」で、食物連鎖をテーマに探究学習を行いました。ちりめんモンスターを材料にして、実験の計画・実施・結果のまとめ・考察・発表会に至るまでの一連の学習活動についてご報告させていただきました。
協働を問う
吉金 佳能(宝仙学園)
集団の中で勉強しているが、集団として学んでいるのではない-(Ken Robinson)。
「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化が求められているが、そもそも私がこれまでしてきたことは、協働的な学びであったのだろうか。私の教育観が、いま大きく揺さぶられている。協働の意味を捉え直し、個にフォーカスすることで、より高次の協働が実現できる。5年「ものの溶け方」の実践を例に、これからの理科学習の在り方について私の考えを共有した。
アルソミトラの種子模型作りからのバイオミメティクス調べ
渡辺 真吾(甲南)
科学クラブでよく作っている種子模型の中で、アルソミトラの種子は大変人気があります。今年は、模型作成で終わらず、生物模倣を意味する「バイオミメティクス」に興味を持った子どもたちと一緒に、ロイロノートを使って簡単なクイズ作成までしてみました。
知識構成型ジグソー法から見えた「深い学び」を作るための視点
〜5年「流れる水の働き」を題材に〜
三澤 尚久(小林聖心女子学院)
「深い学び」を作るために、知識構成型ジグソー法を導入し、5年「流れる水の働き」の授業を行った。知識構成型ジグソー法は、協調学習という理念を実現するための一つの「型」である。2年間、知識構成型ジグソー法を実践した積み上げをもとに見えてきた「深い学びのための視点」について提案し、みなさんと議論を行った。
ムササビ観察を通した環境教育
岡崎 真幸(成城学園)
ムササビという動物を知っていますか? 数年前、とある国語の教科書の説明文にムササビと題して違う動物の写真が載っていたことがありました。ムササビは意外と知っているようで知らない動物なのです。野生動物としては珍しく、比較的簡単に観察できる動物です。野生動物を身近に感じることで、自然に愛着を持ち、より身近な自然に目を向けることのできる教材にもなります。教材としてのムササビの実践をご報告致しました。
買ってよかった!! ~お金で解決する授業の準備~
壁谷 祐亮(白百合学園)
教科書には実験に必要な道具や試料が掲載されているが、必ずしも最適なもの、手間のかからないものが紹介されているとは限らない。本発表では、私が予算で購入して「これはすばらしい」と感じたものを列挙して紹介する。ちなみにもっとも「すばらしい!」と感動したのは業務用食洗器で、お値段は50万円。
ルームB
知育菓子(ねるねるねるね)を使ったオンライン授業の実践報告
松本 芳將(聖ドミニコ学園)
お菓子会社のクラシエフーズとタイアップし、知育菓子を使った理科授業を実施しました。オンラインで実施しましたが、子供たちはお菓子を使ってSDGsや「物質の状態変化」について学習することができました。どのような授業を実践したか報告させていただきました。また、クラシエフーズが知育菓子を使った授業を実践してくれる先生を募集しているので、その紹介もさせていただきました。
考えるって楽しい!〜エネルギーが湧き出る授業〜
川﨑 公美子(同志社)
小学校理科で子ども達に学ばせたいこととはどんなことだろう。それは、単なる知識の記憶ではないはずである。どうすれば、子ども達が理科を学ぶ良さを実感することができるのか、原点に戻って試みた実践を報告した。
児童の関心を高める手立てとしてのラーニングスペース内「いそ水」活用の試み
磯畑 芳樹(桐蔭学園)
最近の子どもたちは、様々なことを知っています。しかし、実際に生物を見たりさわったりしたことがない子どももたくさんいます。そこで、学校の共用スペースであるラーニングスペースに、生物コーナー「いそ水」を設置して子どもたちが自由に観察できるようにしています。
今回は、「いそ水」での子どもたちの活動の様子や生物以外の展示やその管理方法、今年度設置を試みた屋内型ビオトープ(?)について紹介しました。
ワンダータイム(自由な探求の時間)
沼尻 淳(新渡戸文化)
昨年度のソニー教育財団の教育実践計画論文で入選した内容をブラッシュアップした実践報告です。児童のもつ「なんで?」を探求しました。理科の内容をフックとして問題を見出すことに限定せず、個々に、鳥が好きな子が鳥を調べたり、虹の疑問を調べたりしていきました。今年度はパドレットを使用し「学びのスゴログ」をしていくことや、「スライドショーアプローチ」という手法も報告しました。
富士山への校外学習を視野に入れた「土地のつくりと変化」の授業づくりについて
荒井大輔(相模女子大)
本校では、6年生の校外学習を富士山周辺で行なっている。そのため「土地のつくりと変化」の単元では、理科室の中で行える観察や実験の工夫し、富士山の火山としての成り立ちや地層を構成する火山灰、富士山周辺の地下水などについて理解を深めるようにしている。この実践と富士山の見学地とあわせて報告し、先生方から地学分野の観察や実験の工夫を伺え伺えた。
ノートでつなぐ授業の展開 ~6年「燃えるしくみ」~
佐川 勝史(カリタス)
子どもたちが学習を進めているような展開にならないか、構想している。授業のおわりに「ふりかえり」としてその時間の感想や思ったことを書くように促した。単元を進めるにあたり、そのふりかえりの記述から次時の活動を設定するようにした。授業の中でもなるべく子どもたちとのやりとりから子どもたちにとっての最近接領域を探りながら進めようと試みた。教師から価値づける場面やこちらから投げかける内容ももちろんある。どの程度子どもたちによって進めることができたのか、ノートや逐語録から分析してみた。
理科×道徳 山中伸弥教授とiPS細胞についての授業の実践報告
松本 芳將(聖ドミニコ学園)
小学校理科の学習指導要領には、「道徳科などとの関連を考慮しながら(中略)理科の特質に応じて適切な指導をすること」と記されています。昨年度、理科×道徳の教育実践として、6年生の「体のつくりとはたらき」で、山中伸弥教授とiPS細胞について授業を実施しました。授業後、有志の子供たちが京都大学に手紙を送ったところ、返信していただけたことも含め、どのような授業を実施したのか発表させていただきました。
ルームC
5年探究学習「SDGs×ジブンゴト」
衛藤 巧(仁川学院)
本校では昨年度から年度末に探究Week(5日間午前中の授業全て探究学習)を実施しています。昨年度の取り組みから見えてきた、小学校における教科横断型の探究学習の教育的価値や課題、理科の担う役割等について発表させていただきました。
「音」
坂元 美緒(早稲田実業)
昨年度、第3学年「音」の単元において探究的な活動を試みた。これは光塩の長田先生が発案された授業実践で、ipadのアプリを使って音を見える化し、子どもたちに実際に音をつくらせ、音の出る仕組みとその高低について理解を深めることを目的とした授業である。その実践記録を紹介した。
理科におけるプログラミングの授業実践(microbitの活用)
高崎 裕太(追手門学院)
3年生単元「電気の通り道」、5年生単元「電流と電磁石」の発展学習教材としてmicrobitを活用したプログラミング学習を行った。授業内で学んだことが日常の生活に役立っていることや、プログラムされているものが日常生活にあふれていることを知ることができた。また、課題を解決していくためのプログラムを自ら作り上げていくことができた。
理科における放射線の扱いの検討と霧箱作りの製作方法
石川 新(関東学院六浦)
2011年の東日本大震災から11年の年月が経ちましたが、原発事故など放射線のことについて子どもたちに教え、考えさせる機会が少ないと感じています。今回は放射線についての正しい理解をするための授業の導入と、放射線を観察できる“霧箱”を、100円均一のお店で揃うものを中心に、安価な材料で製作できる方法を発表しました。
漢字から入る「昆虫」の学習
西川 浩輔(国立音楽大学附属)
虫のつく漢字クイズを通して、「昆虫」の学習に新たな視点を取り入れようとした授業の実践報告です。虫偏のつく漢字は昆虫だけを表わすわけではなさそうだという気づきから、「虫」という漢字の成り立ち、「昆虫」・「虫」・「蟲」の違いと概念の変容、かつての本草学による動物の分類方法(人、獣、鳥、魚、その他)と現在のリンネに発する生物の分類体系との差異などを話しました。普段の観察とは異なる学問の面白みを提示できたように感じました。
ミラクルロケットを使った骨と筋肉の授業デザイン
巽 匡佑(雲雀丘学園)
4年生「ヒトの体のつくりと運動」では動画や模型を見て学習することが多い。子どもたちにとっては「筋肉=力こぶ」が考えやすいためか、教科書では腕の筋肉の伸び縮みが取り上げられている。しかし動画を見るだけでは、目に見えない筋肉の伸び縮みに気づくことは難しいだろう。そこで、ミラクルロケットというおもちゃを筋肉に見立てた模型を作成し、授業を行った。その成果と課題を報告させていただいた。
児童作成の理科フルデジタルテスト
瀧場 進(国本)
昨年度よりペーパーレスで授業を行っております。ロイロノートのテスト機能を使って学習者である児童自身が作ったテストを実施してきました。1年間実施してみて色々と知見が得られたので発表させていただきました。
ルームD
トイドローンを用いたプログラミング導入の授業
大久保 遥峰(成蹊小学校)
理科においては、学習指導要領の6年「電気の利用」の内容の取り扱いの部分にプログラミングを行ってものの動きを制御する体験的学習を行うことが明記されている。
理科のプログラミングの学習を確立する過程でより段階的にプログラミング学習を進めることができるようにする必要があることも明らかになってきた。そこで、単元の導入としてトイドローンを用いてプログラミング学習で行われるブロックの操作に親しむ授業を設定した。
協働学習 ICT化でどう変わった?~ロイロの共有ノートを使ってみた~
福富 直史(桐光学園)
「始祖鳥は鳥か恐竜か」をテーマにプレゼン大会をさせたことがあった。当時は図書資料を中心に調べ、紙にプレゼン資料をまとめるというアナログなものだった。ひとり一台iPadを手にした今、同じ題材を、ICTを最大限利用してやってみたらどのような変化が生じるのか。資料集め、話し合い、プレゼン資料作成等、アナログ時代と比較してICT化の利点、課題点を検討したい。また、話し合いや資料作成にはロイロノートの試験中機能である共有ノートを使ってみた。使ってみて感じたこともお話した。
選択制デジタルノートの実践と効果
田中 翔(青山学院)
1人1台のタブレット端末が導入され、様々な実践が試みられています。その一環としてデジタルでのノート記録を試みました。最初は全員に使わせていたのですが、途中から希望者のみに。個別最適化をテーマに、その効果についての実践をお話しました。
理科授業の中にプログラミング教育を取り入れる難しさ‐水溶液の単元を通して‐
中村 健人(追手門学院)
昨今、プログラミング教育の必要性が高まってきている。情報授業の中だけでなく、理科授業の中でもプログラミング教育を取り入れることはできないだろうかと試行錯誤して行った授業実践を紹介した。
ロイロノート(iPad)での実践例
河原 崇之(森村学園)
本校では3年生以上の生徒がiPadを持っています。4年生理科では単元「季節と生物」において、季節による植物の変化を記録するためiPad(ロイロノート)を使いました。『植物オリエンテーリング』を学園内で行い、地図上に植物の写真を記録しました。3年生理科で年度末に教科書単元から離れ、クラス毎に花畑を作る計画をロイロノートを使いながら立てました。アンケートなど、使用した機能を紹介しました。
オンライン授業公開「6年 水溶液の性質」
長田 朋之(光塩女子学院)
本校は、全校でDXに力を入れるとともに、あわせて教材研究・教材開発、新しいカリキュラムの編成なども積極的に行っています。2022年7月に、東京私立初等学校協会理科研究部の研究会にて「6年 水溶液の性質」のオンライン授業公開を行いました。その際の映像と資料を共有します。事前に閲覧していただき、主に質疑応答の時間として発表を行いました。
発表に関わる資料です。隣の「2022年度発表資料」ボタンよりご確認いただけます。なお、こちらは、第66回大会後にパスワードをかけます。パスワードは参加者へのみ、お知らせをします。パスワードの再発行は行っていませんので、必ず控えておくようにお願い致します。
第66回大会のプログラムは、こちらより確認いただけます。
オンラインでの実施となった本年度は、27の提案発表があります。
今年度のリアクションペーパーも、Googleフォームを使って行います。
以下のリンクより、各発表者に対してのフィードバックをお願いいたします。皆様からのフィードバックが、発表された方への何よりの感謝の気持ちとなります。一言でも構いません。積極的なご協力をよろしくお願いいたします。
https://docs.google.com/forms/d/1pyu-gsSgclr3JLRYyShwalUkRuTyHgqn4cIu_CY8orI/edit?usp=sharing
*こちらのリアクションペーパーについては、関東地区の運営委員が責任を持って、発表者へ届けます。
今年度で2回目となったオンラインでの開催となりました。いかがだったでしょうか。
参加者の皆様からのフィードバックをもとに、運営と内容を改善してまいりたいと考えております。以下の参加者アンケートへのご協力をお願いいたします。
https://docs.google.com/forms/d/1EDR0x9UiVy6DoaVfCijwKVl1OTCbpopnoy0qGV1iFqs/edit?usp=sharing
発表者の許可を得て、一部の発表のアーカイブ動画を期間限定公開しました。(2022年8月一杯)。
Web会議システム「Zoom」を使ったオンラインで実施します。。ミーティング情報に関しては、参加者へメールでお知らせしました。
<Zoomミーティングに参加する>
*ビデオONでご参加ください。
*申込者以外への共有はお控えください。